(ツイッターで送った文章が、長くなったので校正して、こちらにまとめておきます。)内井昭蔵の思想と建築今週日曜日、世田谷美術館で開催中で、この日最終日だった内井昭蔵展を観た。内井昭蔵といえば、彼の「健康な建築」という思想を巡って、僕の二人の師匠、石山修武と伊東豊雄が、共に批判していたこともあり、これまで僕は批判対象の建築家という目でしか見てこなかったところがある。ただ、改めてこのような展覧会で、まとまった作品を見られたことで、70~80年代の建築について理解を深めることができたように思える。初期の建築で特にわかりやすいのだが、メタボリズム的なメガストラクチャーに、切り妻の屋根や装飾を付け加えている。鉄やコンクリートの他、アルミ等の近代的な材料も積極的に使いながら、切妻やボールドの屋根、細部に装飾を施して行く方法は、建築史的にポストモダンになるのかもしれないが、そんな紋切り型の分類より、これらの建築が、今時どこにでもありそうな、公共建築のプロトタイプに見える所が面白いと思った。公共建築の総本山ともいうべき「御所」を設計しているのは象徴的だと感じた。
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