総選挙の結果をみて。

総選挙の結果は、当初の予想通り、民主党の圧勝、一人勝ちとなった。他の元野党は、前回の選挙と議席数にそれほど大差はなく、自民+公明の減らした議席が、そのまま民主に移動した形。民主党と選挙協力したはずの国民新党や社民党も、結局民主党への追い風をうまく利用できていない。国民新党は議席をむしろ減らしている有様だ。「郵政民営化」や新自由主義への反動が、今回の選挙に影響を与えているとするなら、国民新党や社民党や共産党への支持が増えてもいいはずなのだが、、そういう傾向はほとんどみられない。結局、ある特定の政策とか政治理念への支持が増減したわけではないことがわかる。むしろ、 基本的な投票行動のパターンは、4年前の”郵政選挙”とほとんど変わっていないと言ったほうがいい。前回の選挙で、「郵政民営化」を争点として、大挙して自民党に投票した無党派層が、今回は「政権選択」を争点として民主党に投票をしたということにつきるのではないだろうか。そして、このような投票行動をする無党派層を生み出しているのが、マスメディアである。言い換えれば、無党派層とは、マスメディアの流す情報しか受け取らず(つまり本やインターネット上の良質なな記事を読まない)、マスメディアからの情報だけを頼りに、政治を判断する人たちの別名だ。今回の選挙では、4年前の「小泉劇場」の反省からか、ワイドショーでは選挙のことよりもノリピーの話題ばかりを取り上げていたが、それでも結果は、やはりマスメディアの設定した”争点”によって決まってしまった。インターネットやさまざまなチャンネルをもつCSの普及などによって、TVや大手新聞社などのマスメディアの力が弱まりつつあるが、いまだにマスメディアの情報に大きな影響を受けてしまう多数の無党派層が、選挙結果を決めている。インターネットなどの新しいメディアが、マスメディアを凌駕して、無党派層を分解するような力を持つ時が来るのだろうか。そうならない限り、これからもマスメディアの設定した「争点」によって、結果が決められる選挙が続くことになる。

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