マスメディアの衰退

TBS、赤字転落へ 広告収入が減少で22年3月期広告代理店2社:博報堂が統合以来初の最終赤字 9月中間TBSに続いて、電通、博報堂の大手広告代理店も赤字になった模様。おもな原因は、不況による広告費の削減と言われているが、これも、世界の大きな変化の兆しのように捉えられないだろうか。予算を削られれば、テレビ局は、予算の掛からない番組づくりをせざるをえない。キャスターや政治家、評論家への出演料だけで作ることができるニュースや政治の討論番組、タレントへのギャラだけで作ることができるお笑い番組が、増えているのは、そんな理由からだろう。また、「ウルトラマン」(1966年放送開始)や「ヤッターマン」(1977年放送開始)など、30年~40年前の番組のリバイバルが目立っている。昔の番組のリバイバルが、より多くの人たちの人気を得られるのだとすれば、現在のテレビは、すでに多くの人に共有されるような物語が作る力がなくなっているということでもある。さらに、デジタル放送に完全に移行する2011年7月までに、テレビを見たいすべての人ひとたちは、デジタルテレビに買い換えなくてはならない。しかし、お笑い番組と政治討論番組を見るために、どれだけの人たちがデジタルテレビを買うのだろうか、疑問をもつ。2011年の7月は、テレビの完全デジタル化の時であると同時に、テレビ文化の終わりのときになるのではないのか。

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