Category Archives: Memo

統整的理念

ポストモダニストは、歴史のいっさいの理念を物語だといって否定した。つまり、理念は仮象だというわけです。しかし、それは別に新しい考えではない。そもそもカントは、理念は仮象だといっています。ただ、それは、感覚に由来するような仮象とはちがう。。それなら、理性によって訂正できる。ところが、理性から生じる、理性に固有の仮象がある。たとえば、昨日の自分と今日の自分は同じ自分だと人は思う。しかし、ヒュームがいったように、同一の「自己」など仮象に過ぎない。ところが、もしそのような幻想を持てないとどうなるか。統合失調症になるでしょう。だから、この種の仮象は不可欠であり、また不可避である。カントはこのような仮象をとくに「超越論的仮象」と呼びました。理念も超越論的仮象です。共産主義という理念も同じです。超越論的仮象(統整的理念)がなくなればどうなるか。いわば、歴史的に統合失調症になる。先進国のインテリは、理念を物語(仮象)だといってシニカルに笑っているが、それではすまない。すぐに別の理念(仮象)をでっちあげることになる。フランシス・フクヤマみたいに、歴史はアメリカの勝利によって、自由民主主義が実現されて終わったというような、乱暴なヘーゲル主義的な観念論が出てくる。他方で、露骨に宗教的な原理主義が出てくる。理念を必要とする時代は全然終わっていないのです。理念は終わったと冷笑するインテリは、やがて冷笑されるか、忘却される。(柄谷行人著『柄谷行人政治を語る』p69-70)

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ねこと農耕

愛玩用家畜として同じく一般的なイヌ(Canis lupus familiaris)に比して、ネコは飼育開始の時期が遅いが、これは家畜化の経緯の相違による。イヌは狩猟採集民に必要とされたため、早い時期から人の社会に組み込まれ、狩りの伴侶、外敵への備え、幼子の保護者となった。しかしネコは、農耕の開始に伴い鼠害が深刻にならない限り有用性が無く、むしろ狩猟者にとっては競合者ですらあった。その競合的捕食動物が人のパートナーとなり得たのは、穀物という「一定期間の保管を要する食害を受けやすい財産」を人類が保有するようになり、財産の番人としてのネコの役割が登場した事による。農耕が開始され集落が出現した時期、中近東周辺で、山野でネズミやノウサギを追っていたネコがネズミが数多く集まる穀物の貯蔵場所に現れ、中には棲みつくものもいたのが始まりと考えられている(リビアヤマネコの生息地と農耕文化圏が重なった地域で、複数回起こっていたと考えられる。時期は特定されていない。 穀物には手を出さず、それを食害する害獣のみを捕食する事から、双方の利益が一致。穀物を守るネコは益獣として大切にされるようになり、やがて餌付けから家畜化に繋がった。(ウィキペディア「ねこ」より)

今では、どこでも見かける猫ですが、人間がねこを飼うようになるきっかけが、「財産の番人」だったとは知らなかった。豚や牛は人間の食料になったけど、猫は「財産の番人」という役割で、人間に食べられる側ではなく、人間から食べ物を与えられるペットになったわけだ。身近な動物である猫にも、歴史が刻み込まれていることに気づかされた。なかなか面白い話だと思った。

生存のために必要な栄養素

生活の基本を「衣食住」というように、人間が生きていくために食べ物を欠くことはできない。そして、食によって摂取しなくてはならない栄養素を大きく分けると、以下の5つになるらしい。よく、お金を稼ぐために働くことを「食うために働く。」などと表現するが、これらの栄養素を入手さえできれば、お金がなくても生きられる。逆にお金を持っていても、これらの栄養素を入手できなければ生きられない。お金を出せば、食べたいだけの食料が手に入る流通の仕組みが、今のところうまく機能しているために、この 当たり前のことが、意外と忘れられている。。。。。しかし、近い将来、人口の増加に対して、食料の供給が追いつかなくなるという予想が立てられている。お金を出せば、食べたいだけの食料が手に入るという仕組みが永遠に機能しつづける保証はどこにもない。 Read more »

ごみの処理能力

現在、日本では、一年間に約4億5000万tの廃棄物(一般廃棄物と産業廃棄物の合計)が排出されています。そのうち約6000万tの廃棄物がそれ以上処理が出来ない廃棄物として最終処分場に埋めたれられています。このまま廃棄物の排出量が増え続ければ、最終処分場がいっぱいになってしまいます。たとえ当面の間、最終処分場を確保することが出来たとしても、いつか必ずこれ以上は廃棄物を埋め立てれられないという状況が必ずやってきます。(『ごみ問題100の知識』p40(左巻健男・金谷健編著 東京書籍2004年)

人口推移

国立社会保障・人口問題研究所 上記の研究所で公表している2055年日本の人口ピラミッド。総人口は、約9000万人の予測。2055人口構成予測 Read more »

日本の耕地面積(平成20年)

農林水産省HP:平成20年耕地面積 (7月15日現在)田・畑種類別耕地面積の推移

変化する自然の中の変化する人間

自然はつねに同一であるというポピュラーな信念-これまで環境決定論という静態的な理論ならびにその同様に静態的な否定論を生み出してきた信念-とは反対に、人間が時には単純な、時には複雑な歴史的原因に対応して、その技術的用具・社会組織・世界観を根本的に変化されるときにはいつでも、自然も根本的に変化しているのである。人間は決してその自然環境に作用することをやめない。人間は不断に自然を変形し、彼の努力が彼に新しい水準の活動をもたらすときにはいつでも、人間は新しい[生産]力を現実化しているのである。新しい水準の活動に到達しうるかどうか、到達したとしても、それがどこに導くかは、第一には、制度的秩序、第二には、人間活動の究極の対象-人間活動が獲得しうる物理的、科学的、生物的世界-に依存する。制度的条件が同一であるならば、自然的背景の相違が新しい形態の技術・生活・社会管理の発展を可能にしたりするのである。(『オリエンタル・デスポティズム』カール・A・ウィットフォーゲル著・湯浅赳男訳・新評論)

ごみ処理の流れ

現代のごみ処理の流れとごみの分類。 森下研著『ごみ問題をどうするか』(岩波書店)より抜粋ごみ処理の状況 Read more »