生存のために必要な栄養素

生活の基本を「衣食住」というように、人間が生きていくために食べ物を欠くことはできない。そして、食によって摂取しなくてはならない栄養素を大きく分けると、以下の5つになるらしい。よく、お金を稼ぐために働くことを「食うために働く。」などと表現するが、これらの栄養素を入手さえできれば、お金がなくても生きられる。逆にお金を持っていても、これらの栄養素を入手できなければ生きられない。お金を出せば、食べたいだけの食料が手に入る流通の仕組みが、今のところうまく機能しているために、この 当たり前のことが、意外と忘れられている。。。。。しかし、近い将来、人口の増加に対して、食料の供給が追いつかなくなるという予想が立てられている。お金を出せば、食べたいだけの食料が手に入るという仕組みが永遠に機能しつづける保証はどこにもない。

たんぱく質-筋肉や血、髪、つめを作る。 筋肉や臓器、血液、骨、髪の毛、つめなど、私たちの体を作る栄養素です。エネルギー源としての役割もあります。私たちは1日に60~80gのたんぱく質を食べています。植物性食品、動物性食品のどちらにも含まれます。たんぱく質のさまざまな性質や働きは、アミノ酸の種類や量、並び方などによって決まりますが、アミノ酸の中には体内で作ることができないものあります。そのため、食事からたんぱく質(さまざまなアミノ酸)を十分に摂取する必要があります。脂質-蓄積されるエネルギー源植物性食品、動物性食品のどちらのみ含まれれる栄養素です。私たちは1日に40~70gの脂質を食品から取っています。脂質には体内に入ると皮下や内臓周りに「体脂肪」として蓄えられ、必要に応じてエネルギーとなります。 また細胞そのものを作る役割を持つものもあります。脂質はとりすぎると体脂肪を増やす原因になります。また、たんぱく質や後に述べる炭水化物に比べて1gあたりのエネルギーが高く、効率がよいことも特徴です。炭水化物-植物の光合成で作るエネルギー源炭水化物とは、太陽の光を浴びて成長した直物が光合成によって作り出したもので、穀類(ごはんやパン、めんなど)に多く含まれます。日本人は1日に200g~300gの炭水化物を食べています。炭水化物には、消化吸収されるものとされないものとがあります。穀類に含まれるでんぷんや、砂糖の成分である蔗糖は消化吸収される炭水化物で、体内に入るとすぐにエネルギーとして利用されます。体内に給されるのが早くて即効性がある(すぐにエネルギーとして使うことが出来る)のが利点です。しかし、必要以上にとりすぎると脂肪になって体内に蓄えられます。一方、消化吸収されない炭水化物として、食物繊維があります。食物繊維は、かつて「食べ物のかす」とされましたが、近ごろはその昨日が「生活習慣病を予防する」として注目されています。ミネラル-コツコツためることが重要私たちの体の骨を作ったり、体の働きを維持したりするのに重要な栄養素です。カルシウム、リン、鉄、ナトリウム、カリウムなどがあります。おもな働きは、骨や歯を作る成分になる、体内の水分に溶け込んで浸透圧を一定に保つ、神経や筋肉の働きを調節する、酵素を作ったりその作用を促したりする、などです。ミネラルは食品にはごく微量しか含まれず、サプリメントなどで一度に大量とると過剰症を引き起こします。そのため、たとえば骨を作るカルシウムは、成長期から毎日の食生活で少しずつ摂取することが大切で、そうすると大人になったときに体に十分な料が蓄積されるようになります。ビタミン類-微量でも働きは大食品に含まれるビタミン類は、ミネラルと同様に微量です。つまり、私たちが1日に摂取するビタミン類は微量ですが、体の働きを調節したり、スムーズにしたりする重要な役割を持ちます。ビタミン類は、油脂やアルコールに溶けやすい「脂溶性ビタミン」(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンEなど)と、水に溶けやすい「水溶性ビタミン」(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCなど)に分かれます。脂溶性ビタミンは通常の食生活ではとりすぎることはありませんが、サプリメントなどで大量に摂取すると頭痛や吐き気などの過剰症を引き起こします。また、水溶性ビタミンは一度にたくさん摂取しても体外に排泄されてしまうため、毎日の食生活で摂取することが肝心です。(『なにをどれだけ食べたらいいの?』p8,9監修 香川芳子 女子栄養大学出版部)

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