ねこと農耕

愛玩用家畜として同じく一般的なイヌ(Canis lupus familiaris)に比して、ネコは飼育開始の時期が遅いが、これは家畜化の経緯の相違による。イヌは狩猟採集民に必要とされたため、早い時期から人の社会に組み込まれ、狩りの伴侶、外敵への備え、幼子の保護者となった。しかしネコは、農耕の開始に伴い鼠害が深刻にならない限り有用性が無く、むしろ狩猟者にとっては競合者ですらあった。その競合的捕食動物が人のパートナーとなり得たのは、穀物という「一定期間の保管を要する食害を受けやすい財産」を人類が保有するようになり、財産の番人としてのネコの役割が登場した事による。農耕が開始され集落が出現した時期、中近東周辺で、山野でネズミやノウサギを追っていたネコがネズミが数多く集まる穀物の貯蔵場所に現れ、中には棲みつくものもいたのが始まりと考えられている(リビアヤマネコの生息地と農耕文化圏が重なった地域で、複数回起こっていたと考えられる。時期は特定されていない。 穀物には手を出さず、それを食害する害獣のみを捕食する事から、双方の利益が一致。穀物を守るネコは益獣として大切にされるようになり、やがて餌付けから家畜化に繋がった。(ウィキペディア「ねこ」より)

今では、どこでも見かける猫ですが、人間がねこを飼うようになるきっかけが、「財産の番人」だったとは知らなかった。豚や牛は人間の食料になったけど、猫は「財産の番人」という役割で、人間に食べられる側ではなく、人間から食べ物を与えられるペットになったわけだ。身近な動物である猫にも、歴史が刻み込まれていることに気づかされた。なかなか面白い話だと思った。

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