これらが証明しているのは、火の起源に関するジェの神話は、同じテーマを持つトゥピ=グアラニの神話と同様に、二重の対立を使っているということである。それは生のものと火を通したもの、新鮮なものと腐ったものである。生ものと火を通したものを結ぶ軸は、文化の特徴を示し、生ものと腐ったものを結ぶ軸は、自然の特徴を示している。加熱調理は生ものの文化的変形であり、腐敗は生ものの自然的変形である。
このようにして復元した集合全体のなかで、トゥピ=グアラニの神話はジェの神話よりやり方が徹底的である。トゥピ=グアラニの思考法にとっての関与的対立は、加熱調理(その秘密をコンドルが握っている)と腐敗(これがコンドルの今日の食性である)である。ジェにとっての関与的対立は、食物の加熱とジャガーが今日行っているように食物を生で食べることである。
ボロロの神話は、これらの二つの様式のいずれかを選ぶことの、拒否あるいは不可能を表現しているようである。
クロード・レヴィ=ストロース著『生ものと火を通したもの』p210
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