自然的存在を社会化する「火」

「火を通される」のは、新生児、産婦、思春期に達した娘など、強度な生理的過程に身をおいている人たちである。社会的集団の一員と自然との結合には、料理の火の介入による媒介が必要である。火は通常は生ものと人間という消費者との結合を媒介する役を果たしており、だから火の働きにより自然的存在が料理され、かつ同時に社会化されるのである。

クロード・レヴィ=ストロース著『生ものと火をとおしたもの』p465

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