福島原発事故についての緊急建言
(Peace Philosophy Centre)
田中俊一・元日本原子力学会長による会見の様子
(読売新聞記者動画)
原子力研究を担ってきた物理学者たちの謝罪文(Peace Philosophy CenterHPから転載)。
一ヶ月前に発表されたものですが、いまだ重要な内容が含まれていると考えるため、記録しておきます。
福島原発事故についての緊急建言
(Peace Philosophy Centre)
田中俊一・元日本原子力学会長による会見の様子
(読売新聞記者動画)
原子力研究を担ってきた物理学者たちの謝罪文(Peace Philosophy CenterHPから転載)。
一ヶ月前に発表されたものですが、いまだ重要な内容が含まれていると考えるため、記録しておきます。
「福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について」
(文部科学省)
文部科学省が学校での利用判断における基準を20mSv/年としたことに対して、批判が集っている。
内閣官房参与 小佐古敏荘 辞任
【原発】「子供の許容被ばく線量高すぎる」と疑問
子どもの屋外許容線量、緩い基準に厳しい批判
「福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について」に関する会長声明(日弁連会長声明)
審議2時間で「妥当」判断 原子力安全委、学校基準で
文部科学省が参考にしたというICRP(国際放射線防護委員会)が示している資料には、以下のように書かれているが、この文言をそのまま読んでも、被ばくによる発ガン率が高い子供に対する基準として適切とはいえないだろう。
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ビデオニュース・ドットコム
宮台真司と神保哲生とが、ゲストを迎えて時事の問題について議論をするビデオニュースドットコム。
通常、月額525円のところ、現在、原発事故に関するいくつかの番組が無料で放送されている。
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内閣官房参与 小佐古敏荘 辞任・記者会見資料を全文掲載します。(NHK科学文化部ブログ)
緊急時には様々な特例を設けざるを得ないし、そうすることができるわけですが、それにも国際的な常識があります。それを行政側の都合だけで国際的にも非常識な数値で強引に決めていくのはよろしくないし、そのような決定は国際的にも非難されることになります。
今回、福島県の小学校等の校庭利用の線量基準が年間20mSvの被曝を基礎として導出、誘導され、毎時3.8μSvと決定され、文部科学省から通達が出されている。これらの学校では、通常の授業を行おうとしているわけで、その状態は、通常の放射線防護基準に近いもの(年間1mSv,特殊な例でも年間5mSv)で運用すべきで、警戒期ではあるにしても、緊急時(2,3日あるいはせいぜい1,2週間くらい)に運用すべき数値をこの時期に使用するのは、全くの間違いであります。警戒期であることを周知の上、特別な措置をとれば、数カ月間は最大、年間10mSvの使用も不可能ではないが、通常は避けるべきと考えます。年間20mSv近い被ばくをする人は、約8万4千人の原子力発電所の放射線業務従事者でも、極めて少ないのです。この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは、学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズムからしても受け入れがたいものです。年間10mSvの数値も、ウラン鉱山の残土処分場の中の覆土上でも中々見ることのできない数値で(せいぜい年間数mSvです)、この数値の使用は慎重であるべきであります。
小学校等の校庭の利用基準に対して、この年間20mSvの数値の使用には強く抗議するとともに、再度の見直しを求めます。
(「内閣官房参与の辞任にあたって(辞意表明)」より抜粋)
011年4月27日 (水)衆議院インターネット審議中継。
決算行政監視委員会での、村上誠一郎議員(自由民主党・無所属の会)による、原発事故に関する政府、官僚、東電への厳しい批判の映像。
事故による被害の大きさについて、明快に指摘している。
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各新聞社から、世論調査が発表されているので、その情報をまとめてみた。
原発を減らそうとする意見が、過半数を超えたのは、毎日新聞の54%のみ。
その他の新聞では、増やす、現状維持が過半数を超えている。
実感とは違う結果に驚かざるを得ない。
やはり、マスコミの情報操作が行われているのか?
そうでも考えないと、あれだけの事故が起こった後に行われた世論調査の結果として、理解しずらい。
やむをえない40%、減らすべきだ41%、すべて廃止13%
(毎日新聞世論調査4/17)
増やす5%、現状程度51%、減らす30%、やめる11%
(朝日新聞世論調査4/18)
増やす10%、現状維持46%、減らす29%、すべてなくすべき12%
(読売新聞世論調査4/3)
運転しながら安全対策を強化していく」56・2%、「いったん止め、対応を検討する」25・2%、「やめて、別の発電方法をとる」14・1%
(東京新聞3/19)
一方、海外では、以下のような世論調査に関する情報がある。
どこの国も、依存率低下を望む声が大きい。
国内と海外で、なぜこのような反応の違いがあるのだろうか。
「原発廃止を」87% スイス紙世論調査 09年「必要」73%から一転(msn産経ニュース)
仏、8割が原発依存低下望む(時事.com)
「世論調査では最大70%ものドイツ人が原発に反対している」(newsweek)
イタリア政府、原発再開を断念 国民投票前に反対強く(47news)
As the immediate threat from Fukushima Daiichi’s damaged nuclear reactors recedes, engineers and scientists are facing up to a clean-up process that could last for many decades, or even a century.
(損傷した炉心による緊急の危機の可能性は低くなったものの、技術者や科学者たちは、数十年もしくは一世紀にも及ぶかもしれない解体撤去のプロセスに直面している。)
東芝は10年、日立は30年での、福島第一原発の廃炉までのスケジュールを公表した。
しかし、上記の記事は、4つもの原子炉、燃料冷却の必要性など、作業はチェルノブイリ以上に困難であり、数十年もしくは一世紀もの時間を要する可能性があることを指摘している。
福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋(東京電力プレスリリース)
福島第1、冷温停止まで6~9カ月 東電が工程表
原発工程表、どういう根拠?作業員が達成に疑問(日本経済新聞)
東電が公表した工程表にはまったく裏付けがない~裏付けを出すよう抗議を!(自由報道協会)
また、16日東電は「6~9カ月で原子炉を安全な「冷温停止状態」」とする工程表を発表したが、早速その根拠についての批判が出ている。
「なぜ警告を続けるのか-京大原子炉実験室・”異端”の研究者たち」
業界では異端である原子力発電の批判を行う原子力工学の物理学者、京大原子炉実験室の小出裕章氏、今中哲二氏の活動を紹介する番組(製作・著作/毎日放送)。
京都大学原子炉実験室
京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ(小出裕章氏のHP)
特に、この番組の終盤で小出裕章氏が語った以下の言葉を、真剣に受け止めるべきだと思う。
人間が生きるためには、一人一日当たり4万~5万キロカロリー程度のエネルギーがあれば、十分に生き延びることができる。すでに日本では、一人一日当たり12万キロカロリーものエネルギーを使ってしまっているのです。これ以上エネルギー消費を増やしたいというようなことは、言ってはいけないということに、まずは気がつかなければならないと思います。日本人すべてが。
高エネルギー物理学研究所(つくば)の放射線線量グラフ
一日の変化とともに、3/11以降の線量変化を示すグラフもあり、事故後の線量変化を理解しやすい。
この他にも、いくつか放射線量を公開しているサイトがある。
全国の放射能濃度一覧(文部科学省が公開しているデータをもとにして作られている。)
ナチュラル研究所ガイガーカウンター(東京日野)
東京本郷
福島第1原発事故 放射能漏れ 賠償、国負担も 地元損害、巨額に(毎日新聞)
小出裕章が、講演会で話していた原発事故の際の電力会社による限定された損害賠償の責任について、ウィキペディアに記事が掲載されていた。
「原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じたものであるときは、この限りでない」
「賠償措置額は原子炉の運転等の種類により異なり、通常の商業規模の原子炉の場合は1200億円と定められる(第7条)」
要約すれば、
「最大1200億円までしか賠償しなくてよい。また、巨大な天災や社会的動乱による損害の場合は、賠償責任はない。」
ということになろうか。
ただし、毎日新聞では、今回の原発事故による賠償に関して、講演会の話とは異なり以下のような記事が書かれている。
「異常に巨大な天災や社会的動乱」が原因の場合は、例外規定として電力会社の代わりに国が賠償するが、政府は「隕石(いんせき)の落下や戦争などを想定したもの」(文部科学省幹部)と例外規定は適用しない方針。
しかし、「異常に巨大な天災や社会的動乱」を「隕石(いんせき)の落下や戦争などを想定したもの」とする解釈には無理があるだろう。
所詮、このような解釈は成り立たないと知っていながら、その場限りの世論対策としての発言でしかないように聞こえる。
小出裕章さん『隠される原子力』
福島原発の事故を受けて行われた、原発反対派である物理学者小出裕章さんの講演会の映像。
原子力発電の問題点を物理学の枠を超えて、健康被害、行政、法律など、多岐にわたって指摘している。
「原発がどんなものか知ってほしい(全)」平井憲夫
被曝労働の実態が、書かれている。
2006年4月16日(日) 午後9時~9時49分 NHK総合テレビ 放送。
NHK HP
チェルノブイリ事故後の周辺地域の住民や、事故処理にかかわった労働者の健康被害に関するドキュメンタリー。
この番組によれば、チェルノブイリ事故の結果生まれた汚染地域での低線量の被曝と癌の発病との因果関係について、IAEAは認めていないという。
そして、現在、福島の原発事故に際して、政府もまた、このIAEAの”基準”を根拠にして、健康被害の有無を判断していると思われる。
しかし、汚染地域では、住民の癌が増加しており、事故による低線量被曝との因果関係が疑われている。
放射能の被曝量と健康被害に関する二人の専門家の見解とその比較。
崎山比早子元放射線総合研究所主任研究官(原子力資料室)
中川恵一東京大学医学部附属病院放射線科准教授(財団法人フォーリン・プレスセンター)
(ツイッター,team nakagawa blog)