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磯崎新「建築-不可視から不可侵へ」

『atプラス08』[特集:瀕死の建築]

そんなときこの列島社会の全面的な制度設計がやり直されねばならない。アーキテクトが別次元の建築的設計をやらねばなるまい。しかし、後醍醐帝や秀吉のようにひとりの権力者がやれるとは思えない。ジャファーソンのように、フリーメーソンにはいり、パラディアニズムを丸写しすればナショナル・アイコン足りえたほどに容易な時代ではありません。いま、この列島の内乱状態を突き抜けることを可能にする建築は「建武式目」のような「物狂いの沙汰」でなければならないことだけははっきりしています。月が二つ並んで見える程度じゃ、列島沈没でしょう。もはや後醍醐帝が手がかりにした朱子学も、ジェファーソンがコピーしたフランス革命の自由・平等・博愛の三徳目も使いつぶされました。世界中探してもモデルがないのです。
(磯崎新「建築-不可視から不可侵へ」『atプラス08』p37)

『atプラス08』に、磯崎新の3.11後の建築論である「建築-不可視から不可侵へ」が掲載されている。
具体的なビジョンについては、触れられていないが、「アーキテクトが別次元の建築的設計をやらねばならない。」「建武式目」のような「物狂いの沙汰」でなければならない。」と3.11後の建築に対する予感を語っている。

たしかに、それくらいの構想でなくては、直面している現実には対応できないだろう。
いま建築家が持つべき心構えとして、メモしておく。

肥田舜太郎医師と福島の女性

福島原発事故後の2011年4月24日の「原発なしで暮らしたい100万人アクション in ヒロシマ」で行われた肥田舜太郎医師の講演の模様。
現在の福島で起こりつつある、被ばくによる健康被害について触れられている。

「ただちに心配なことは起こらない。」
そりゃそうですよ、今日被ばくして明日病気になるなんてことはない。
でも、もう現に東北では下痢が始まっています。さっきここにでられた被爆者の方が、お母さんの妹も、弟も自分も下痢が始まったとおっしゃいました。
最初の症状の一つに、下痢が始まります。これは、今の普通のお薬では止まりません。
だから、一番心配しているのは、(中略)元気なものを含めて、放射線の病気が始まってくるのは、おそらくこの秋から春にかけてたくさん出てくるだろう、そのように私は想像しています。でも、仮に病気になった人を私の病院にいれて、その人の下痢が放射線の影響ですと、証明する学問がまだないんですね。
これが泣き所です。
だから、人をああいう目にあわせて殺した側は完全犯罪なんですね。
(18:39~)

川合健二マニュアル

川合健二ほか著『川合健二マニュアル』(編集出版組織体アセテート)

自律型エネルギーによる生活を目指した技師・川合健二の活動・思想をまとめたマニュアル本。
次世代の生活スタイルを考えるための出発点。

ECRR(欧州放射線リスク委員会)

ECRR2003年勧告放射線防護のための低線量電離放射線被曝の健康影響
ECRR勧告2010 序文
ECRR リスクモデルと福島からの放射線 クリス・バスビー欧州放射線リスク委員会 科学委員長


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内部被曝の脅威 ちくま新書


低レベルの放射線は、五感で感じることが出来ない上に、時間を置いて健康被害が発生するために、その原因として特定されづらい性質をもつ。
原子力産業は、その性質を利用し、放射能による被害者を小さく見積もることによって、十分に批判されることなく、推進されてきた面がある。

この本は、原子力が産み出す低線量放射能が、膨大な数の被ばく者とその犠牲者を産み出しているという「内部被ばくの脅威」を、医師によるメカニズムの解説とジャーナリストによる現場のレポートによって、明らかにしている。

福島第一原発の事故によって、低線量の放射線が漏洩し続けており、今後、この低線量による健康被害が大きな社会問題なってくるはずである。
この問題を考えるための基礎知識を得られる。

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ラッセル=アインシュタイン宣言

ラッセル=アインシュタイン宣言(バートランド・ラッセルのポータルサイト)

水爆戦争になれば大都市は消滅するだろうことは疑問の余地がない。しかしこれは、私たちが直面しなければならない小さな悲惨事の1つである。仮にロンドン、ニューヨーク、モスクワのすべての市民が絶滅したとしても、2、3世紀のあいだには世界は打撃から回復するかもしれない。しかしながら今や私たちは、とくにビキニの実験以来、核爆弾はこれまで想像されていたよりもはるかに広範囲にわたってしだいに破壊力を拡大できることを理解している。

ごく信頼できる権威筋によると、現在では広島を破壊した爆弾の2,500倍も強力な爆弾を製造できるとのことである。もしそのような爆弾が地上近くまたは水中で爆発すれば、放射能をもった粒子が上空へ吹き上げられる。そしてそれらの粒子は’死の灰または雨(いわゆる「黒い雨」)’の形で徐々に落下してきて、地球の表面に降下する。日本の漁師たちとその漁獲物を汚染したのは、この’死の灰’であった。そのような死をもたらす放射能に汚染された粒子がどれほど広く拡散するのかは誰にもわからない。しかし最も権威ある人々は一致して水爆による戦争は実際に人類に終末をもたらす可能性があることを指摘している。もし多数の水爆が使用されるならば、全面的な死滅 -即死するものはほんのわずかだが、大部分のものは長い間病気の苦しみを味わい、肉体は崩壊してゆく、という恐れがある。

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核反応による爆発の可能性:福島第一原発3号機の爆発についての解説 4月26日

米国のスリーマイル原発事故の際、事故調査団のメンバーでもあった米国フェアウィンズ・アソシエーツ社チーフエンジニア アーニー・ガンダーソン氏による、福島第一原発三号機の爆発についての解説。
一号機と比較して、激しかった三号機の爆発は、どのように引き起こされたのか。
爆発の映像などを手がかりにしながら、核反応による爆発の可能性について指摘しています。

Arnold Gundersen


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福島原発事故についての緊急建言 (平成23年3月30日)

福島原発事故についての緊急建言
(Peace Philosophy Centre)
田中俊一・元日本原子力学会長による会見の様子
(読売新聞記者動画)

原子力研究を担ってきた物理学者たちの謝罪文(Peace Philosophy CenterHPから転載)。
一ヶ月前に発表されたものですが、いまだ重要な内容が含まれていると考えるため、記録しておきます。

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汚染地域内に居住する人々のための放射線防護線量レベルについて

「福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について」
(文部科学省)

文部科学省が学校での利用判断における基準を20mSv/年としたことに対して、批判が集っている。
内閣官房参与 小佐古敏荘 辞任
【原発】「子供の許容被ばく線量高すぎる」と疑問
子どもの屋外許容線量、緩い基準に厳しい批判
「福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について」に関する会長声明(日弁連会長声明)
審議2時間で「妥当」判断 原子力安全委、学校基準で

文部科学省が参考にしたというICRP(国際放射線防護委員会)が示している資料には、以下のように書かれているが、この文言をそのまま読んでも、被ばくによる発ガン率が高い子供に対する基準として適切とはいえないだろう。
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ビデオニュース・ドットコム無料放送

ビデオニュース・ドットコム
宮台真司と神保哲生とが、ゲストを迎えて時事の問題について議論をするビデオニュースドットコム。
通常、月額525円のところ、現在、原発事故に関するいくつかの番組が無料で放送されている。
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内閣官房参与 小佐古敏荘 辞任・記者会見資料

内閣官房参与 小佐古敏荘 辞任・記者会見資料を全文掲載します。(NHK科学文化部ブログ)

緊急時には様々な特例を設けざるを得ないし、そうすることができるわけですが、それにも国際的な常識があります。それを行政側の都合だけで国際的にも非常識な数値で強引に決めていくのはよろしくないし、そのような決定は国際的にも非難されることになります。

今回、福島県の小学校等の校庭利用の線量基準が年間20mSvの被曝を基礎として導出、誘導され、毎時3.8μSvと決定され、文部科学省から通達が出されている。これらの学校では、通常の授業を行おうとしているわけで、その状態は、通常の放射線防護基準に近いもの(年間1mSv,特殊な例でも年間5mSv)で運用すべきで、警戒期ではあるにしても、緊急時(2,3日あるいはせいぜい1,2週間くらい)に運用すべき数値をこの時期に使用するのは、全くの間違いであります。警戒期であることを周知の上、特別な措置をとれば、数カ月間は最大、年間10mSvの使用も不可能ではないが、通常は避けるべきと考えます。年間20mSv近い被ばくをする人は、約8万4千人の原子力発電所の放射線業務従事者でも、極めて少ないのです。この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは、学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズムからしても受け入れがたいものです。年間10mSvの数値も、ウラン鉱山の残土処分場の中の覆土上でも中々見ることのできない数値で(せいぜい年間数mSvです)、この数値の使用は慎重であるべきであります。

小学校等の校庭の利用基準に対して、この年間20mSvの数値の使用には強く抗議するとともに、再度の見直しを求めます。
(「内閣官房参与の辞任にあたって(辞意表明)」より抜粋)

「東京はすでに被曝していた。」管理区域同等レベル

011年4月27日 (水)衆議院インターネット審議中継。
決算行政監視委員会での、村上誠一郎議員(自由民主党・無所属の会)による、原発事故に関する政府、官僚、東電への厳しい批判の映像。
事故による被害の大きさについて、明快に指摘している。

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Photos of the Day – Fukushima Dai-ichi Aerials(oregonlive.com)

2011/03/24に無線飛行機で至近から空撮された写真。
福島大地原発の爆発後の様子をはっきりと確認することができる。

原発解体(NHKスペシャル)

原発解体~世界の現場は警告する~
2009年10月11日(日) 午後9時00分~9時58分総合テレビ


原発解体(1) 投稿者 LunaticEclipse-Nuclear

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家庭での消費電力量推移(電気事業連合会HPより)

電気事業連合会HP「電気の広場」にある、家庭での消費電力量の推移のグラフをまとめてみた。
1970年と比較して、年当たりで3倍、特に真夏に限れば最大5倍も、増加していることがわかる。

ただ、おおよそ1995年から微増になり、2009年には1995年のレベルより減少している。

つまりこのグラフから、新しい電化製品の登場によって大幅に変化してきた生活様式が、1995年ごろ完成されたと読むことができる。

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世論調査

大手新聞社世論調査

各新聞社から、世論調査が発表されているので、その情報をまとめてみた。
原発を減らそうとする意見が、過半数を超えたのは、毎日新聞の54%のみ。
その他の新聞では、増やす、現状維持が過半数を超えている。
実感とは違う結果に驚かざるを得ない。
やはり、マスコミの情報操作が行われているのか?
そうでも考えないと、あれだけの事故が起こった後に行われた世論調査の結果として、理解しずらい。

やむをえない40%、減らすべきだ41%、すべて廃止13%
(毎日新聞世論調査4/17)

増やす5%、現状程度51%、減らす30%、やめる11%
(朝日新聞世論調査4/18)

増やす10%、現状維持46%、減らす29%、すべてなくすべき12%
(読売新聞世論調査4/3)

運転しながら安全対策を強化していく」56・2%、「いったん止め、対応を検討する」25・2%、「やめて、別の発電方法をとる」14・1%
(東京新聞3/19)

一方、海外では、以下のような世論調査に関する情報がある。
どこの国も、依存率低下を望む声が大きい。
国内と海外で、なぜこのような反応の違いがあるのだろうか。

「原発廃止を」87% スイス紙世論調査 09年「必要」73%から一転(msn産経ニュース)
仏、8割が原発依存低下望む(時事.com)
「世論調査では最大70%ものドイツ人が原発に反対している」(newsweek)
イタリア政府、原発再開を断念 国民投票前に反対強く(47news)

Paul Fusco[Chelnobyl Legacy]

Paul Fusco[Chlnobyl legacy]

Nature news[Fukushima set for epic clean-up]

Fukushima set for epic clean-up(Nature News)

As the immediate threat from Fukushima Daiichi’s damaged nuclear reactors recedes, engineers and scientists are facing up to a clean-up process that could last for many decades, or even a century.

(損傷した炉心による緊急の危機の可能性は低くなったものの、技術者や科学者たちは、数十年もしくは一世紀にも及ぶかもしれない解体撤去のプロセスに直面している。)

最短10年 東芝と日立廃炉処理案

東芝は10年、日立は30年での、福島第一原発の廃炉までのスケジュールを公表した。
しかし、上記の記事は、4つもの原子炉、燃料冷却の必要性など、作業はチェルノブイリ以上に困難であり、数十年もしくは一世紀もの時間を要する可能性があることを指摘している。

福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋(東京電力プレスリリース)
福島第1、冷温停止まで6~9カ月 東電が工程表
原発工程表、どういう根拠?作業員が達成に疑問(日本経済新聞)
東電が公表した工程表にはまったく裏付けがない~裏付けを出すよう抗議を!(自由報道協会)

また、16日東電は「6~9カ月で原子炉を安全な「冷温停止状態」」とする工程表を発表したが、早速その根拠についての批判が出ている。

How Catastrophe Heralds a New Japan By KOJIN KARATANI

How Catastrophe Heralds a New Japan By KOJIN KARATANI

「なぜ警告を続けるのか-京大原子炉実験室・”異端”の研究者たち」

「なぜ警告を続けるのか-京大原子炉実験室・”異端”の研究者たち」
業界では異端である原子力発電の批判を行う原子力工学の物理学者、京大原子炉実験室の小出裕章氏、今中哲二氏の活動を紹介する番組(製作・著作/毎日放送)。

京都大学原子炉実験室
京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ(小出裕章氏のHP)

特に、この番組の終盤で小出裕章氏が語った以下の言葉を、真剣に受け止めるべきだと思う。

人間が生きるためには、一人一日当たり4万~5万キロカロリー程度のエネルギーがあれば、十分に生き延びることができる。すでに日本では、一人一日当たり12万キロカロリーものエネルギーを使ってしまっているのです。これ以上エネルギー消費を増やしたいというようなことは、言ってはいけないということに、まずは気がつかなければならないと思います。日本人すべてが。